Tecnos Data Science Engineering

CASE STUDY導入事例

アナリストの独自の視点とAIをかけ合わせ
顧客のニーズに対応したレポートを提供

株式会社フィスコ

scorobo for Fintech
株式会社フィスコ

独立系の金融情報配信会社である株式会社フィスコは、ブルームバーグやQUICK、トムソン・ロイター、ヤフーなどに金融情報を提供するとともに、個人投資家向けにコンテンツを提供する会員制サイトも運営している。このコンテンツの目玉のひとつがAIを活用した株式銘柄分析レポートであり、テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(以下、TDSE)がその活動を支援している。

大量のデータ分析が必要な金融とAIとの相性に着目

 株式、為替、債券など日々のマーケットの市況概況などの投資情報を個人投資家から機関投資家まで提供する投資アドバイザーとして、直接的、間接的に情報提供を行っているのが、独立系金融情報配信会社の株式会社フィスコだ。アナリスト養成講座など投資教育事業にも力を入れている。

 同社では会員制サイト「CLUB FISCO」を運営し、個人投資家向けにコンテンツを販売している。現在、会員は8万人に上り、投資活動を支援するための各種コンテンツが提供されている。それらのコンテンツには、同社がこれまで蓄積したノウハウと独自の相場観に基づくアナリストの知見が盛り込まれているものもある。

株式会社フィスコ 情報配信部株式アナリスト 仲村幸浩 氏株式会社フィスコ
情報配信部
株式アナリスト 仲村幸浩 氏

 これらのコンテンツの中でも注目を集めたのが、AIを活用した「株式財務分析レポート」である。AIによるセクター等の絞り込みとアナリストによる財務分析を掛け合わせることで、幅広い情報から精度の高いユニークな洞察記事が提供されている。
 
「きっかけとなったのは2016年のAIブームです。グーグルが開発したAIが囲碁のプロ棋士に勝利したことで、AIが注目されるようになり、当社のビジネスにもAIを活用できないかと検討することになりました」と情報配信部 株式アナリストの仲村幸浩氏は同社がAI活用に取り組むようになった背景を語る。

 もともと金融ビジネスとデータは密接な関係にある。金融商品自体が多くのデータをもとに開発されているため、大量のデータがあることを前提に活用されるAIとは相性が良い。特に投資活動は情報分析が全てだ。

 「投資戦略ではどれだけ他の人より多くの情報を得られるかが鍵になります。株式アナリストはGDPや為替といったマクロのデータから、個別企業の財務状況といったミクロのデータまで見なければなりません。しかし、すべてのデータを網羅して分析していくにはマンパワー的に限界もあります。その領域にAIを活用できないかと考えました」と、同部、株式アナリストの雲宮祥士氏も語る。

AIが対象候補を抽出して
アナリストが財務分析を行って最終判断をする

 同社ではもともと企業調査など各種レポートを発行して、好評を得ていた。「AIを使った新たなレポートを作るより、既存のレポートにAIを掛け合わせる方が、会員に受け入れてもらいやすいと考えました」と雲宮氏は話す。そこでAI活用の対象として選定したのが「株式財務分析レポート」だった。 
 
 「株式財務分析レポート」は、企業の財務分析をベースに独自の銘柄を取り上げるもので、これまでフィスコのアナリストたちが集めた市場関係者やアナリストからの情報や個別訪問を通して得た企業情報などを元に業界及び企業の財務分析を行い銘柄を選定していた。このレポート作成のためのセクター等の絞り込みにAIを活用できないかと考えたのである。

株式会社フィスコ 情報配信部 株式アナリスト 雲宮 祥士 氏株式会社フィスコ
情報配信部
株式アナリスト 雲宮 祥士 氏

 具体的には上場企業3600社の中から時代や潮流を考慮し約600銘柄に絞り込みを行う。その中からさらにAIが過去の財務情報などから銘柄を絞り込み、レポートの対象候補を抽出する。セクターやテーマの選定にもAIを活用し、フィスコのアナリストが自らの知見をベースに詳細な財務分析を行い、レポートを作成していくことにした。

 2016年の夏には大枠の概要が固まり、AI活用のための具体的なパートナー探しが始まった。パートナー選定のポイントとなったのはスピードだった。「AIへの注目が急速に高まってきた時期だっただけに、できるだけ早く実現したいという想いが強かったですね」と仲村氏。
 同社はデータ分析サービスを提供する会社4、5社に声をかけ、そこから選ばれたのが、テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE)だった。雲宮氏は「IRでつながりがあって声をかけさせていただきましたが、こちらの問い合せへの返答も早く、早い展開が期待できました」と迅速な対応を評価する。

販売実績を上げるとともにテレビでの認知度アップも

 AIを活用したレポートの作成は急ピッチで進められた。当初不安視されたのは市況分析に慣れたアナリストと、データ分析の専門家だが経済分析には不慣れなデータサイエンティストのギャップを埋めることだった。「打ち合わせの回数を重ねることで、思った以上にスムーズなコラボレーションができるようになりました」と仲村氏は話す。

 またAIが抽出したセクターなどが信頼できるかどうか、についてもテストを実施した。「抽出結果は、そのときの相場状況と違和感がありませんでした。ランキングをつけるアルゴリズムも信用できると確信しました。」と雲宮氏は話す。これによってアナリストが絞り込みにかける時間を半分に短縮することができる。
 こうしたステップを踏んで、同社がAIを活用した株式財務分析レポートの発行を開始したのは2016年冬のことだった。

 レポートのインパクトは大きく、テレビ東京の経済ニュース「Newsモーニングサテライト」ではこのレポートを基にした「先読みAI」というコーナーが新設され、サービスの認知度向上にもつながったという。

AIでサービスを進化させて適用する領域も広げていく

 現在、同社ではサービスラインナップの見直しが進められており、AIを活用した株式財務分析は新しい展開を試みる予定だ。「再開後はバージョンアップして、もっと未来を予測した内容にシフトしていきます」と仲村氏は話す。
 これまでAIが選定した銘柄に対する財務分析をメインに行なっていたが、会員のニーズに応えて、投資家の判断材料をより多く提供するレポートへと進化させていく。同時にAIの適用範囲を広げる横展開についても積極的に取り組む。仲村氏は「今後は株式以外の幅広い分野にもAIの活用を検討していきたい」と意欲を語る。

 「パートナーとしてのTDSEは高く評価しています。わずか3、4ヶ月でサービスをリリースできたのは、迅速な対応があったからです。テストで思ったような結果が出なかった時にはすぐに打ち合わせも必要になります。素早く対応してくれるので今後も安心して取り組めます」(仲村氏)。
 迅速な対応ができている背景には、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の存在も見逃せない。クラウドサービスを活用することで、迅速に機能を実装することができ、小さく始めるだけでなく、スケールアップにも柔軟に対応することができる。
 また、マーケティングという側面でのTDSEへの評価も高い。「レポート商品を作る際に投資家向けにアンケートを実施することを提案してくれて、それがレポートの発行につながりました」と雲宮氏は振り返る。

 AIの活用の鍵はクライアントとデータサイエンティストが協力して進めることにある。AI活用の領域を広げていくうえで、クライアントのニーズに寄り添って迅速に対応できるTDSEの取り組み姿勢が高く評価されている。今後フィスコとTDSEの協業がどんな展開を見せていくのか、注目してもらいたい。

株式会社フィスコ

東京都港区南青山5-11-9
<事業内容>
各投資市場に対する鋭い分析力と豊富な経験をもとに、投資家を支援する金融サービスを展開する他、企業IRのコンサルティング事業、広告代理事業など、幅広く企業支援を行う。
<URL> http://www.fisco.co.jp/

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