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TDSEのデータサイエンティスト向け新人研修をご紹介

採用

今回の記事では、入社4年目のデータサイエンティストが弊社の新人研修について簡単にご紹介いたします。

TDSEの新人研修で身に着けるスキルとは

一般社団法人データサイエンティスト協会の定義によれば、データサイエンティストには「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つが求められるとされています(参照:データサイエンティスト協会スキル定義委員会シンポジウム資料(2019.10.17))

個々の力がどのようなものを指すのかはここでは触れませんが、この認識は弊社を含めデータサイエンス業界で広く受け入れられています。

一方で、個々人が採用時点で持っているスキルには大きなばらつきがあり、入社後即データサイエンティストとして通用する人材というのはほぼ皆無であると言えます。

そこで弊社の新人研修では、データサイエンティストに必要とされるスキルにまったく、あるいはごく一部にしか馴染みのない状態の新入社員に、最低限以上のスキルと今後成長していくための素養を3か月で身につけてもらうことを目的としています。

新人研修の流れ

弊社の新人研修は大まかに3つの段階に分かれています。1か月ずつ区切ってみていきましょう。なおいずれの研修も例年は弊社オフィスの会議室にて対面方式で実施していましたが、昨今の情勢を受けて現在はオンラインでの実施をメインとし、必要に応じて対面方式で実施しています。

入社直後の最初の1か月間は、個別のスキル分野についての広範な教育が中心となります。外部講師や先輩社員を講師とした座学・演習、そして課題参考書やオンライン教材による自習等により、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の基礎知識習得とスキル養成のための下地作りを行います。なおこれらの研修は最もボリュームが大きいため、2か月目以降も継続して実施されます。

具体的な研修テーマの例としては以下のものが挙げられます。

・ビジネス力関連:一般的なプロジェクト業務の進め方に関する研修、お客様や社員同士でのコミュニケーションを適切に行えるようになるための言語技術研修、マナー研修など

・データサイエンス力関連:分析プロジェクト特有の関連知識に関する研修、基礎的な機械学習手法に関する研修、基礎的な統計分析手法に関する研修など

・データエンジニアリング力関連:プログラミング技術に関する研修(python)、データベース取り扱い技術に関する研修(SQL)、分析の実行環境準備に関する研修(Linux,Git,Docker)など

新人研修2か月目に入ると、分析実践研修と題しデータサイエンス力とデータエンジニアリング力に主眼を置いた実践的な課題に挑戦していくことになります。この研修では、予め用意された分析課題に対し、適切な分析の実施方法とデータの取り扱い方法を数人のグループで検討しながら実践していきます。この研修を通じて、最初の一か月の間に個別に習得した基礎知識を業務の流れと結びつけ、体系的な理解につなげていきます。

そして新人研修3か月目には、ACRP(Analytics Consulting Role Playing)とよばれるさらに実践的な研修が待っています。先の分析実践研修では予め与えられた分析課題に沿って分析を実施しましたが、ACRPでは分析課題そのものを見つけ出すところから受講者に任されることになります。

流れとしては、受講者グループごとに弊社の執行役員が様々な業界のお客様企業担当者役となって、データサイエンスで解決してほしい問題を用意します。受講者はそのお客様企業担当者役に対してヒアリングを実施し、問題を具体的な分析課題に落とし込んだうえで、分析実践研修同様に分析を進めます。そして最後に、分析結果を価値につなげるための方法について、お客様(の役の執行役員)に対して報告会を実施してもらいます。

上記の流れから分かるように、このACRPでは、分析実践研修では比重が軽めだったビジネス力も重要になります。ただしこのスキルは実際の業務の中で養われる側面が大きいため、例年どの受講者も(筆者も含め)非常に苦戦しているようです。そのような事情もあって、ACRPでは「研修をうまく乗り切る」ことよりも「業務全体の流れを(失敗も含めて)体験する」ことに主眼が置かれており、受講者にはACRPでの(失敗を含めた)経験を実際の業務に活かすことが期待されています。

新人研修後の現場配属

3か月の新人研修ののち、OJT(On the Job Training)という形でそれぞれの現場で実際に業務に携わってもらうことになります。OJTでは先輩社員やPM/PL(Project Manager/Project Leader)の指示のもと、分析実践研修で学んだようなデータサイエンス力、データエンジニアリング力を発揮することが期待されています。なおビジネス力については、OJT時点ではお客様との日常的なやり取り以上のスキルは要求されません。自身の分析作業スキルを磨きつつ、先輩社員やPM/PLがいかにして価値につなげるためビジネス力を発揮しているかを間近で学ぶことが重要です。

最後に

学ぶことが多く不安に思われる方もいるかもしれませんが、いずれの研修も大学教養程度の線形代数学・微分積分学のみを前提として構成されていますので、それ以上の前提知識を求められることはありません。私たちとしても、就職するまではご自身の学業や研究に専念していただくことをお勧めしています。

いざ実際に研修を受けてみると、学生時代とは全く異なる知識が得られるという新鮮で楽しい感覚のほうが不安に勝るように思います。さらに就職によって「先輩学生」という立場から「社会人一年生」という立場に変わることで、わからないことは遠慮なく質問することが許されるというのも、新社会人の特権です。ぜひこの特権を有効活用してください。

そしてもちろん、新人研修さえ受けてしまえばもうデータサイエンティストとして一人前…というわけではありません。OJTやその後の業務を通じたスキルアップだけでなく、社会情勢や様々な業界の動向、さらに日進月歩のIoT技術やAI技術についての継続的なキャッチアップも怠らずにいることが求められます。新人研修はあくまでもその下地づくりにすぎないのです。

少し長くなりましたが、弊社の新人研修についてご紹介させていただきました。

データサイエンスを担う人材をどうすれば育成できるのかは、長らくデータサイエンス業界に関わってきた弊社がそのノウハウを活かしながら試行錯誤を続けてきた課題の一つです。今回ご紹介した新人研修プログラムは、その試行錯誤の成果であるとも言えるでしょう。

本記事が、弊社での採用志望の方はもちろん、データサイエンティストを志すすべての方にとって一助となれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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