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PoC疲れに陥っていませんか?
AIモデルの精度目標などの技術検証はクリアした。しかし、現場業務への組み込みやROIの壁に阻まれ、プロジェクトが立ち消えになっている状況に陥っていませんか?
もし、貴社の部署でこのような「PoC貧乏」と呼ぶべき状況が繰り返されているなら、来期のデータ利活用予算を確保するのは困難かもしれません。
経営層から「で、結局いくら儲かったの?」と問われたとき、明確なROI(投資対効果)を提示できないからです。
データ利活用の責任者として、現場からは「もっと使えるものを」と期待され、経営層からはビジネス上の成果を問われる。
その狭間で、一定の検証成果は出ているものの、「本番導入には至らないPoC」が積みあがっていっているとしたら、解決すべきビジネス課題を改めて問い直すタイミングに来ているのかもしれません。
本記事では、この「PoC疲れ」をデータ利活用の成功に導くための3つのステップと、その鍵となる「テーマのアセスメントと選定(優先順位付け)」の重要性をお伝えします。
Step 1:停滞の真因である「テーマ選定」を見直す
PoCで止まってしまうプロジェクトの根本原因は、「解決すべきビジネス課題の選定ミス」にあるケースが大半です。 例えば、一例として以下の観点でテーマの選定を誤っていないか、再確認してみましょう。
- ・現場の課題ではない
現場のボトルネックと直結しない、分析担当者主導の「分析ありき」のテーマになっていないか。 - ・経営の課題ではない
解決したところで、全社的なインパクト(売上増大、コスト削減など)が小さすぎるテーマになっていないか。 - ・技術的な実現可能性が評価できていない
「データさえあればできるはず」という思い込みで進めていないか。
実現に必要なデータの質・量は確保されているか、既存技術で解決可能な難易度かどうかが、着手前に検証されていない。
テーマ選定の段階で、これらのビジネス的価値と技術的な実現可能性をセットで適切にアセスメントできていないと、その後のプロジェクトは高確率で停滞します。
成功事例:生成AIを活用し創出したアイデアから、どう「実現可能なテーマ」を選定したか
では、先ほど例として挙げた「3つの観点(ビジネス・現場・技術)」を満たすテーマはどのようにすれば効率よく、かつ客観的に創出、評価できるのか、実際の例をご紹介します。大手生命保険会社A社では、社内アナリスト育成プログラムの一環として、「実務で分析すべきテーマを選定する」という取り組みを行っています。
TDSEはまず、生成AI(ChatGPT)を活用したワークショップを実施。AIを壁打ち相手として議論し、わずか2時間で約10個の有力テーマを創出しました。
しかし、真に重要なプロセスはここからです。 単なるアイデア出しで終わらせないために、TDSEは独自の業務課題整理シートを用い、「テーマ」と「現場のデータ環境」のギャップを検証しました。
データの質・量、技術的難易度といった「実現可能性」を徹底的に評価し、実行に移すべきテーマを厳選しました。
※業務課題整理シートサンプル
Step 2:攻めと守りの「データ利活用ポートフォリオ」を描く
アセスメントによって選別されたテーマを、さらに以下の2種類に分類し、戦略的なポートフォリオ(組み合わせ)を構築します。
守り:業務の省力化・効率化 (例:RPAによる自動化、需要予測による在庫削減など)
攻め:付加価値の増大・新規ビジネス (例:AI搭載の新サービス開発、データ販売など)総務省の調査(※)によれば、ICT投資による労働生産性上昇効果は、「改善(守り)」が平均1.8倍であるのに対し、「変革(攻め)」は約4倍もの効果があるとされています。
この数字だけを見れば、「効果の高い『攻め』だけに集中投資すべきだ」と思われるかもしれません。しかし、それこそが多くのDXプロジェクトが「PoC疲れ」に陥る落とし穴です。
「攻め」はハイリターンですが、技術的難易度が高く、成果が出るまでに長い時間を要します。いきなりここだけにリソースを集中させると、成果が出ない期間が続き、社内の信頼や予算が尽きてしまうのです。
重要なのは、「守り」で確実な成果と投資原資を作ることです。 手堅くコスト削減や時間短縮を実現し、そこで浮いた「予算」や「人材リソース」を、リスクの高い「攻め」への投資に回す。この「循環」を作ることこそが、データ利活用プロジェクトに対する社内的な信頼を高めます。データ利活用を単発で終わらせず継続的な取り組みとすることで、最終的に大きなビジネスインパクトを生み出します。
※出典:総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」
Step 3:経営層を説得するためのROIを算出する
選定したテーマについて、概算の投資対効果(ROI)を算出します。
ビジネス課題と業務課題、データ利活用ソリューションが明確であれば、期待される効果は精度目標と紐づけて試算することが可能です。
投資額や必要な開発期間も同様に見積もれるため、ROIは事前に仮説レベルで算出することが十分に可能となります。
「やってみないとわからない」という曖昧な数字は、経営層には通用しません。
類似事例や技術的な実現可能性(Step 1)を踏まえ、アセスメントによって算出された「根拠あるROI」。この客観的な事実こそが、貴方が稟議を通すための最強の武器となります。
技術的な裏付けと、投資対効果の試算をセットで提示。
TDSEのデータ利活用アセスメントサービスが提供する「判断材料」
「技術的な実現可能性の判断がつかない」
「データ利活用の専門家による客観的な評価で、プロジェクトの推進を後押ししてほしい」
「データに裏付けされたROIの試算を算出したい」
そうお考えのデータ利活用責任者様へ。
TDSEは、貴社のデータ利活用プロジェクトを診断し、成功への道筋を後押しする「データ利活用アセスメントサービス」を提供しています。
実装・運用まで見据えた「実現可能性」の評価
私たちは単なるコンサルタントではなく、社員の約8割がデータサイエンティストやエンジニアで構成される技術者集団です。
データ利活用アセスメントでは、ビジネスサイドの専門性とデータに関する専門性を互いに持ち寄り、現場の方への詳細なヒアリングやディスカッションを通じて、ビジネス効果と実現可能性の高いテーマの選定、課題解決ソリューションの検討を行います。
また、「単にAIモデルが作れるか」という机上の検証だけでなく、ソリューション導入後の業務フローの整理も実施し、「既存の業務にどのように組み込むか」「運用に耐えうるデータパイプラインが構築できるか」といった、実装後の泥臭い課題まで見越した「真の実現可能性」を評価します。
データの専門家としてStep3で述べたような精度目標と紐づけた効果の算出も支援可能です。
本サービスにより、選定テーマの難易度、投資対効果(ROI)、必要な期間を明確にすることで、経営層への説得力を高めます。 TDSEが貴社のデータ利活用計画を診断し、予算確保に直結する「客観的根拠」を提示します。
貴社は「PoC疲れ」で貴重な予算を使い切っていませんか?
来期こそ、データ利活用を成果に繋げたいとお考えなら、まずはプロジェクトの「テーマ選定」からTDSEにご相談ください。
