目次
今回のアップデートで変わった重要なこと
Gemini 1.5 Pro のコンテキストウィンドウが最大200万トークンに倍増
従来比2倍の処理能力で、約3000ページ分の情報を一度に分析可能に
軽量・高速・低コストの新モデルGemini 1.5 Flashを 発表
Gemini 1.5 Pro の知識を引き継ぎつつ、高速かつ低コストでタスク処理を実現
Gemini 1.5 Pro のモデル概要
機能面:
・最大200万トークンのコンテキストウィンドウ:
従来の100万トークンに比べて2倍の、最大200万トークンを一度に処理することができるようになりました。これは、3000ページ分のドキュメント、またはメール200通分に相当します。膨大な情報もまとめて分析し、要約や翻訳、質疑応答など、多岐にわたるタスクを効率化できます。競合するAIモデルのコンテキストウィンドウと比較すると、GPT-4o/GPT-4Turboは12.8万トークン、Claude 3は20万トークンであり、Gemini 1.5 Proのコンテキストウィンドウの長さは注目に値します。
・多言語対応:
日本語を含む35以上の言語に対応し、自然な対話や翻訳が可能です。グローバルなコミュニケーションを円滑に進め、多言語のコンテンツを活用できます。
・マルチモーダル対応:
テキストだけでなく、画像、音声、動画も処理することができます。コンテンツの理解、生成、分析を包括的に行い、新たな表現やコミュニケーションの形を生み出せます。
精度面:
・高度な推論能力:
複雑な質問や課題に対し、論理的思考にもとづいた詳細な回答を生成でき、問題解決、意思決定、研究開発など、様々な場面で強力なサポートを提供できます。
・創造的な文章生成:
詩、コード、脚本、音楽、メール、手紙など、多様なジャンルの文章を生成できます。
・専門的な知識:
特定の分野に関する質問にも、専門知識にもとづいた回答が可能であり、深い理解と洞察力を活かし、専門性の高いタスクを支援できます。
コスト面:
・トークン数に応じた2段階で提供:
12.8万までの入出力トークンの利用料金はGPT-4oの料金(GPT-4 Turboと比較して半額となった)の7割になります。12.8万以上の入出力トークンはGPT-4oの1.4倍になりますが、GPT-4oは現時点で、12.8万以上の入力トークンを処理するAPIが提供されていません。
現時点の価格:
・入力トークン:
$3.50 / 百万トークン (12.8万トークンまで分)
$7.00 / 百万トークン (12.8万トークン超過分)
・出力トークン:
$10.50 / 百万トークン (12.8万トークンまで)
$21.00 / 百万トークン (12.8万トークン超過分)
Gemini 1.5 Flash のモデル概要
機能面:
・最大100万トークンのコンテキストウィンドウ:
一般的なドキュメント1500ページ分、またはメール100通分の情報を一度に処理することが可能です。大規模なテキストデータの分析や要約、質疑応答などを効率的に行うことができます。
・多言語・マルチモーダル対応:
Gemini 1.5 Pro と同様に、35以上の言語に対応し、テキストだけでなく、画像、音声、動画も処理できます。
精度面:
・軽量かつ高精度:
「知識蒸留」という技術によって 大規模な Gemini 1.5 Pro モデルの知識とスキルを継承し、軽量化を実現しつつ複雑なタスクにも対応できます。 たとえば、要約、チャットボット、画像・動画のキャプション生成、長文ドキュメントや表からのデータ抽出など、実用的なタスクで優れた性能を発揮します。
速度面:
・Gemini シリーズで最速:
応答速度を重視した設計で、大量かつ高頻度のタスク処理に最適化されています。応答速度が求められるチャットボットや、大量のデータ処理が必要なアプリケーションなどに最適です。
コスト面:
・圧倒的なコストパフォーマンス:
Gemini 1.5 Pro と比較して1/10の低価格で利用することができます。高い処理能力と低コストを両立し、予算を抑えながら大規模なタスクを効率的に処理できます。
活用シーン例
Pro:市場分析レポートの作成、新規事業アイデアの創出、高度なプログラミング、長文マニュアルの修正、プロジェクト資料の分析、小説へのフィードバックなど、大規模なテキスト処理に適しています。
Flash:大量データの要約、リアルタイムチャット(カスタマーサポートチャットボット、ゲーム内でのNPCの自然な対話など)、コンテンツの自動生成など、迅速かつ効率的な処理が必要なタスクに適しています。
コスト効率重視のタスク
モデル | コンテキストウィンドウ | 精度 | 速度 | コスト | 推奨用途 |
---|---|---|---|---|---|
pro | 200万トークン | 高 | 中 | 高 | 大規模テキスト処理 高度な推論、創造的なタスク |
Flash | 100万トークン | 中 | 高 | 低 | 大量タスク処理、リアルタイム処理 コスト効率重視のタスク |
Gemini 1.5 シリーズ活用のポイント
Gemini 1.5 シリーズは長文処理能力が大幅に向上しましたが、より効果的かつ効率的に活用するには、以下の点にご留意ください。
1.コスト最適化:Gemini 1.5 Pro は大規模なコンテキストウィンドウを扱えますが、その分コストも高くなります。LangChain や RAG アーキテクチャを活用することで、必要な情報のみを抽出し、処理コストを最適化できます。
2.精度向上:長文全体を処理するよりも、RAG で関連性の高い情報に絞り込むことで、より精度の高い結果が得られる場合があります。特に専門的な知識や特定の情報を必要とするタスクでは、RAG の活用が有効です。
まとめ
Gemini 1.5 シリーズは、LangChain や RAG アーキテクチャと組み合わせることで、その真価を発揮します。コストと精度のバランスを考慮し、最適なソリューションを構築することで、ビジネスやプロジェクトを成功に導きましょう。
TDSEは、これまで画像処理や自然言語処理等、多種多様なモーダルを用いたデータ活用プロジェクトをご支援してまいりました。 LLMのビジネス活用に関するプロジェクト実績もございます!
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