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生産計画最適化とは?生産計画にAI・数理最適化を導入する3つのメリットを解説!

データ分析

生産計画とは

生産計画とは、企業が製品を効率的に生産するために策定する計画のことを指します。具体的には、製品の販売計画や受注状況などをもとに、「どの製品をどのくらい、いつまでに生産するか」を計画することです。

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生産計画には、

  • 1. 生産すべき製品の種類・数量・時期の計画
  • 2. 製品の生産に必要な原材料・部品についての計画
  • 3. 製造から出荷に至るまでの日程についての計画

が含まれます。

たとえば、生産計画に不備があり、製品の生産に必要な部品が足りないことが計画に反映できていないと、必要数量の製品が生産できず納品が遅れるなどの問題が起こります。したがって、生産計画は、企業の生産活動の指針となるたいへん重要なものであり、いかに生産計画を最適化し、製品生産のQCD(Quality,Cost,Delivery:品質、費用、納期)を維持するかが課題になります。昨今、生産計画にAIや数理最適化を導入し、最適な生産計画を実現することに注目が集まっています。

生産計画の種類と立て方

生産計画の種類

生産計画には、押し出し方式(PUSH型)引っ張り方式(PULL型)の2種類の方式があります。

押し出し方式(PUSH型)は、生産計画をもとに各作業工程の計画を立て、それにもとづいて生産する「押し込み生産」のための生産計画です。
事前に立てた計画通りに生産することが前提となるため、計画通りに進めやすい反面、計画の変更に弱く、余剰在庫が出やすいという特徴があります。

引っ張り方式(PULL型)は、生産工程の後工程(下流側)から前工程(上流側)へ物を引くように生産する「引き取り生産」のための生産計画です。
最終的な後工程である顧客から受注した数量や納期を見て生産量や生産ペースの計画を立てるため、余剰在庫が出にくいという特徴があります。

生産計画の立て方

期間別の生産計画

生産計画は、計画の対象となる期間によって大日程計画、中日程計画、小日程計画の3つに分けられます。

大日程計画では、3ヶ月~1年間における生産計画の指針を計画します。過去の実績などをもとに受注量や納品量を予測して計画を策定します。予測した納品量を達成するために、どんな設備に投資すべきか、人員はどの程度確保すべきかなどを決定します。

中日程計画は、1~3ヶ月間における生産計画であり、実際に受注した内容をもとに生産量や生産ペースを計画します。計画した生産量や生産ペースを達成するため、生産能力に関する計画や、人員計画(シフトなど)、原材料や部品を調達する計画などを策定します。毎週~毎月のペースで見直すのが一般的です。

小日程計画は、1週間~1カ月における生産計画であり、日々の具体的な作業内容や、いつまでにその作業を完了するかなどを決めます。生産現場のさまざまな条件を考慮し、小日程計画に合わせるためにより細かく複雑な設計をするため、高度な知識や経験が必要になります。毎日~毎週のペースで見直すのが一般的です。

生産計画を立てるポイント

有益な生産計画を策定するには、ローリングプランを実施することや、適切なバッファを設定することが重要です。

ローリングプランとは、中長期的な計画を定期的に見直して修正していく方法です。計画初期からの状況の変化を踏まえ、大日程計画を見直した場合、修正内容は中日程計画や小日程計画に反映していきます。ローリングプランを定期的に実施することで、計画初期から実行までの間に、計画の精度を高めることができます。

また、リソースや期間のバッファを適切に設定しておくと、生産設備の不具合や、製品の需要の急激な変動、人員の急な欠員など、想定外の事態が起こった場合でも、納期遅れを防ぐことができます。ただし、バッファが少なすぎると想定外の事態に対応しきれず、多すぎると生産効率の低下や人員の待機時間の増加など悪影響があるため、生産現場の実情を踏まえて適切に設定する必要があります。

生産計画にAI・数理最適化を導入するメリット

ここまで、生産計画の立て方を説明してきましたが、有用な生産計画を策定するには多くの課題があります。その課題を解決する手段として、AI・数理最適化を導入することに注目が集まっています。ここでは、生産計画にAI・数理最適化を導入するメリットをいくつかご紹介します。

①生産計画の精度向上

過去の実績などをもとに受注量や納品量を予測し、それにもとづいて計画を策定する際、AIを導入して予測を行うことで予測精度が向上し、製品在庫の過不足の解消が期待できます。また、「どの製品をどのくらい、いつまでに生産するか」を検討するにあたっては、部品や原材料の入荷状況や設備の稼働状況など、複雑な条件を考慮する必要がありますが、数理最適化のフレームワークを導入することで、それらの条件を考慮しつつ、目指す目標(納期の遵守やコストの最小化など)を達成する最適な計画を策定することが期待できます。

②属人化の解消

生産現場のさまざまな条件を考慮して最適な計画を策定するには高度な知識や経験が必要なため、計画業務の属人化が進んでいる現場は多いかと思います。生産計画にAI・数理最適化を導入することで、最適な計画が自動で策定できるようになり、計画業務の属人化の解消を図ることができます。結果として、特定の担当者の知識や経験に依存せず、常に一定の精度の生産計画を実現することが期待できます。また、AI活用によって計画業務や生産工程の実態を担当者以外でも理解できる形に可視化していくことで、業務全体の効率化・生産性向上のためのヒントを得ることも可能です。

③計画業務の負担軽減

計画策定が自動化できると、人手で行うよりも作業時間の短縮が可能です。また、AI・数理最適化により策定された生産計画は精度が高いため、現場の状況に合わせて計画を再検討し修正する工数も削減することが期待できます。

まとめ

ここまで、生産計画とは何か、そして生産計画にAI・数理最適化を導入するメリットについてご紹介しました。生産計画は製造業務の根幹をなしており、生産現場の状況をデジタル化し、AI・数理最適化を導入することで得られるインパクトは大きいといえるでしょう。

生産計画の最適化、AI導入にもしご興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談、お問い合わせください!TDSEの専門チームが、お客様の具体的なニーズに合わせたソリューションをご提案いたします。

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