経営トップメッセージ
構造を変え、成長の質を高める。
― 新中期経営計画「SHIFT2028」始動にあたって ―
株主・投資家の皆さまには、日頃よりTDSEへのご支援を賜り、心より御礼申し上げます。 当社はこのたび、2026年4月からの3か年を対象とする新中期経営計画「SHIFT2028」を始動いたしました。本計画は、2023年度より推進してきた前中期経営計画「MISSION2025」の総括を踏まえ、当社の成長モデルおよび収益構造を中長期的に進化させるための構造改革型の中期経営計画として策定したものです。
1、前中計「MISSION2025」の振り返り
「MISSION2025」において、当社はコンサルティング事業を基盤としながら、プロダクト事業およびAIエージェント事業の育成を進めてまいりました。その結果、プロダクト事業およびAIエージェント事業は着実に成長し、当社の売上構成においても新たな成長領域として一定の存在感を示すに至りました。生成AI分野への先行投資を通じ、提案・実装の実績を積み上げ、次期成長に向けた基盤は形成できたと認識しています。 一方で、中核であるコンサルティング事業については、生成AIを前提としたモデルへの転換が十分に進まず、成長の鈍化が生じました。また、この3か年を通じて売上目標が未達となるなど、事業環境の変化に向けた実行・管理に課題が残ったことも事実です。これらの結果を真摯に受け止め、次期中計では、事業構造、収益モデル、組織体制を含めて見直す必要があると判断しました。
2、「SHIFT2028」が目指す方向性
「SHIFT2028」では、生成AI・エージェント領域への事業拡大を成長戦略の中核に据え、同領域への取り組みを集中的に強化していきます。継続的な利用を前提とした収益の積み上げを進めることで、従来のフロー型ビジネスを基盤としつつ、生成AI・エージェントを中核とするストック型成長モデルを段階的に増強していく方針です。 本中計は、成長モデルの「完成」を目指すものではなく、将来の本格的な転換に向けた基盤を、この3年間で確実に積み上げることを目的としています。
3、事業戦略と組織を一体で捉えた実行体制の再設計
その実行にあたり、当社は事業戦略と組織の在り方を一体として見直します。まず営業体制については、トップマネジメントが直接関与し、機動的に営業攻略を推進する体制へと転換します。営業機能を全社的に集約し、重点業界・重点顧客に対する意思決定のスピードを高めることで、生成AI・AIエージェントを起点とした成長戦略を確実に実行していきます。 あわせて、AIエージェント事業をコンサルティング組織へ統合し、顧客課題の理解から提案、実装、運用までを一体で担える体制へ再設計します。 これにより、実案件で得られる知見を即座に組織横断で技術へ反映し、生成AI・AIエージェント領域における技術開発および事業拡大の動きを加速させていきます。
4、初年度(2026年度)を「変革の一年」と位置づける理由
本中期経営計画において、初年度である2026年度は、成長のための構造変革を実施し、定着化させる1年と位置づけています。繰り返しとなりますが、
• トップマネジメントが機能する営業体制への転換
• AIエージェント事業とコンサルティング組織の統合
• ストック型収益を前提とした事業構造・KPI・管理手法の再整理
といった、成長を再加速させるための前提条件を構築する期間と捉えています。そのため、2026年度については構造改革に伴う一時的な利益率の低下を見込みつつも、中長期的な成長と収益性向上を見据え、構造改革を優先して進めてまいります。
5、売上を軸に、構造転換の進捗を示す
「SHIFT2028」では、売上高を最重要の経営管理指標(KGI)として位置づけ、2028年度に38~43億円規模への成長を目指します。 同時に、生成AI・エージェント売上比率、ストック売上比率を構造転換の進捗を測る重要な経営管理指標(KPI)として定義し、継続的な開示と対話を通じて進捗をお示ししていきます。
6、最後に
当社は今、成長の質そのものを見直す局面にあり、「SHIFT2028」は現実を踏まえたうえで、次の成長基盤を着実に積み上げるための計画です。生成AI・エージェントという技術変化を成長機会と捉え、「次世代の意思決定支援企業」への進化に向け、着実に歩みを進めてまいります。 また、時価総額や上場維持基準を含む制度動向については十分認識しており、将来を見据えた重要な前提の一つとして意識しております。あわせて、資本効率の向上についても重要な経営課題と捉えておりますが、短期的な数値対応に偏ることなく、本業の競争力強化と収益構造の改善を通じて、企業価値の向上につなげていくことを基本とする考えです。 当社は、投資家保護および情報開示の透明性を前提に、皆さまとの対話を通じて信頼関係を深めながら、堅実かつ着実に成長してまいります。足元の状況や今後の制度環境を踏まえ、当社の現状に対してさまざまなご懸念やご不安をお持ちの方もいらっしゃると認識しております。そうした受け止めのもと、これまで進めてきた取り組みとその成果を確実に積み重ね、企業価値の向上という結果でお応えしてまいります。この変革をやり切る覚悟を持って取り組んでまいりますので、当社の取り組みとその進展をご注視いただけますと幸いです。
2026年6月
代表取締役社長
東垣 直樹