
ドローンと聞くと、映画の空撮や農薬の散布に使われるイメージがある方もいるのではないでしょうか。近年は上記の領域に留まらず、物流や建設など幅広いシーンでドローンが活用されています。
今回は、ドローン市場の最新情報や実際の活用例について紹介します。
目次
ドローンの最新情報
まずは、ドローンの最新情報を見ていきましょう。
ドローン市場は急速に拡大している
ドローン市場は2016年から急速に拡大しています。下図は、2016年から2027年までのドローン市場を表したものです。
出典:内閣府|レベル4⾶⾏の実現、さらにその先へ
2016年は154億円だった市場規模が、2027年には5,147億円になると想定されています。約10年で30倍以上も市場が拡大する見込みです。
また、2016年当初は主に農業やインフラ点検などにドローンが使われていました。しかし、ドローンの性能が向上したことで、2021年以降は物流や警備の領域にも活用されてきています。
ドローンは、もともとカメラで撮影した画像を表示させる機能が主でした。しかし、AI搭載のドローンが登場したことで、下記のことが可能になっています。
- ・人が操作しなくても自動で飛行する
- ・カメラを用いて画像認識や解析をする
人や家屋が密集している場所でも、目視外飛行が可能に
ドローン市場の拡大を受けて、2022年12月には、航空法上のドローンに関する新しいルールが施行されました。
有人地帯(人や家屋が密集している地域)での目視外飛行、つまり「オペレーターの視界にドローンが入っていない状況」でも操縦できるというルールです。
このルールが施行される以前は、有人地帯でドローンを飛行させるときは、オペレーターの目視確認が必須でした。しかし、1台あたり2~3人の人員が必要でコストがかかるため、企業がドローンを導入しにくい状況だったのです。
新ルールの施行により、今後いっそうさまざまな用途で使われることが想定されます。
【分野別】ドローンの4つの活用例を紹介
ドローンは下記のようにいろいろな分野で活用されています。
- ・物流
- ・建設
- ・警備
- ・点検
- ・農業
- ・エンタテインメント
今回はその中でも特に発展している分野において、どのようにドローンが活用されているのかを見ていきましょう。
例1. 【物流】ドローンによる荷物の配送で、社会問題の解決へ
国土交通省は、2018年度からドローン物流(ドローンを活用した荷物の配送など)に力を入れています。物流業界には下記のような課題があるためです。
- ・再配達の増加
- ・物流量が増えたことによる交通渋滞
- ・労働力不足
特に再配達率は約11.7%で、二酸化炭素の排出量の増加や、ドライバー不足の深刻化など社会問題のひとつです。
このような問題にドローンを活用することで、人材不足の解消や地域活性化、二酸化炭素の削減を図ろうとしています。
また、楽天はドローン物流サービス「そら楽」を2016年から提供開始しました。スマホアプリで注文を受け付けてから、ドローンで商品を配達する一連の流れを実現しています。
例2. 【建設】人災を防いで、効率的な建設を可能に
建設現場でドローンを活用することで、現場スタッフを危険にさらすことなく、点検やデータ収集などをおこなえます。
ドローンによる空撮で現場の進捗状況がすぐに分かるため、適切な資材調達や人員配達が可能です。
特に土量測定では、建設現場を上空から撮影して地形を把握。専用システムを利用することで、人力でおこなうよりも短時間で形状を測定できるようになりました。
山間部や森林など、航空機がないとできなかった場所の測定にも、ドローンが使われています。
例3. 【警備】施設の異常を検知し、身元の特定や追跡に活用
警備領域でのドローンは、施設やイベントの監視などに活用されています。異常を検知したらドローンが現場に急行し、不審者の姿や車のナンバープレートなどを撮影します。
物的証拠をおさえて、身元の特定に役立てることが可能です。また、そのまま空から追跡できるため、車で逃走されても現在地を追いやすいこともメリットといえます。
人間には立ち入りにくいような高所など危険な場所や、すぐに駆け付けにくい場所でも、ドローンならすぐに向かえます。
例4. 【点検】インフラの点検にドローンを使用し、作業時間を短縮
最後は、橋やトンネルといった公共性の高いインフラにドローンを飛ばして、保守点検をおこなう活用例です。
今まで人間が担当していた目視の点検作業を、ドローンが代わりに実施。足場の設置や撤去が不要になったため、点検時間を大きく短縮できるようになりました。
また、作業員の安全を確保できることも、ドローン活用のメリットです。ドローンなら人が立つには危険な場所でも点検しやすいため、事故のリスクを減らせます。
狭い空間用のドローンを使えば、次のように狭くて人が入れないエリアでも点検することが可能です。
- ・ダクトの内部
- ・煙突の内部
- ・エレベーターの内部
なお、近年はドローンで撮影した画像をAIに読み込ませることで、外観検査の異常を検知できるサービスも登場しています。続けて見ていきましょう。
外観検査を効率化するなら、異常検知サービス「TDSE Eye」
弊社TDSEでは、外観検査を効率化できる異常検知サービス「TDSE Eye」を提供しています。
正常な画像のみをAIに学習させておくことで、検査画像に「ひび」や「割れ」といった異常がないかを判別できます。
このような外観の異常を検査するAIの場合、製品の「正常な画像」と「異常な画像」の両方を集めなければならないことが一般的です。
ですが、「TDSE Eye」では正常な画像のみでAIを構築できるため、簡単に使い始められます。
また、異常度は可視化や数値化されるため、視覚的に異常を把握しやすい点もメリットです。目視確認のコストを削減しつつ、作業の効率化を図れます。
弊社では、ヘリコプターから撮影した映像をAIでチェックし、送電線の点検作業を50%削減することに成功した事例もございます。
もし「点検作業に多くのコストがかかっているため、効率化したい」などでお悩みの場合、下記ページからお気軽に詳細をご覧ください。
最新のドローン情報をチェックして、ビジネスへの活用法を知ろう
ドローンは有人地帯での目視外飛行が可能になったり、小型化・低価格化が進んだりと、今後ますます進化することが考えられます。
また、労働力不足の解消や二酸化炭素の削減など、さまざまな社会問題を解決する方法のひとつでもあります。
ドローンを用いた異常検知サービスなども生まれているので、自社のビジネスで活用することも検討してみてはいかがでしょうか。