小売DXが必要な理由
1点目は不確実な環境への対応が上げられます。
コロナによって、生活環境が変化しました。また最近の国際情勢の変化による資源の高騰も無視するわけにはいきません。また今年も猛暑日など非常に暑い日がありましたが、そのような異常な気候によって、需要が変化しやすくなっています。
2点目は消費者の消費行動の変化への対応があります。
近年、ご存知のように消費者の心理は「モノの消費」から顧客体験型の「コトの消費」に移行しつつあり、よいモノだけでは売れない時代になっています。
購買方法も多岐にわたり、店舗で商品を見た後に、ECサイトや比較サイトでより安い価格で販売されているかスマホでチェックしそちらで購入する、といった店舗のショールーム化が進んでいたりもします。
3点目としましてはSDGsへの対応があります。
食品おいてはフードロスの削減は重要な課題だと思いますし、資源やエネルギーの有効利用はいまや地球規模の社会課題であり、企業への対応も求められる時代になっています。
「そういった状況下で具体的に対応していくには、例えば不確実性には高度な需給調整、消費者行動の変化についてはリアルタイムな価格設定、SDGsへの対応では仕入れの最適化や売切戦略が重要になってきます。」(結束)
需要予測のツボ
近年、AIの発達と過去の購買データの蓄積に伴って、AIベースの精緻な需要予測をするという取り組みが広まっています。それによって例えばSKU単位の何千何万点という膨大な数に対し、様々な期間のきめ細やかな需要予測が可能になってきています。
ただし、いきなり大規模に実施することは、事業リスクや現場負担も高いため、以下のようなアプローチが非常に重要となってきます。
・小さく成果の出やすいターゲットから始め、その成果をもって徐々に現場の信頼を獲得していく
・予測の限界をステークホルダ内で共有し業務設計を行う(一部資料抜粋)
・需要予測に有用なデータの蓄積の準備を並行して進める
※具体的な内容については、アーカイブ動画や講演資料をご覧ください。
価格戦略のツボ
価格変更については需要予測以上に、消費者への心理状態にも影響与えかつ収益にも直結するため慎重になるケースは多く、またデータ活用状況によってはいきなりそこまで実行するにはハードルがあることも多いと思います。しかしながら、以下のような取り組みを続けることでよりよい価格設定の検討が可能になります。
・データ可視化しながら商品の価格特性を理解し価格設定の検討
・購買変化を起こすような施策はなるべく同時に実行しない(一部資料抜粋)
・状況に応じた価格変更施策が必要
※具体的な内容については、アーカイブ動画や講演資料をご覧ください。
「DXはスモールスタートではじめることが大事です。一度はじめることでノウハウを蓄積することができます。一回や二回でうまくいくケースはまれで、通常はうまくいかない結果を踏まえてPDCAを回してよりよいデータ活用施策を検討していき、その結果ビジネス的な改善につながっていきます。皆様におきましてもDXを小さくてもしっかり推進させていき、ビジネスの変革を目指して頂ければと思います。」(結束)
以下リンク
・講演アーカイブ動画はこちら
・小売・流通事例集はこちら
・【関連記事】小売業が価格戦略を見直すべき4つの理由!利益の最大化を目指すにはこちら