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外観検査とは?必要性や3つの検査方法、発見できる不良の例を解説

DX推進

外観検査は、製品の品質を一定に保つために欠かせない工程です。

目視や装置を用いた検査方法がありますが、「すべてのキズや欠陥を見つけるのが難しい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、あらためて外観検査の必要性や流れを解説しつつ、より検査業務を効率化する方法を紹介します。

外観検査とは?

外観検査とは、製品の表面を確認する検査業務のことです。多くの製造業でおこなわれており、製品の品質が「規定値を満たしているか」を評価します。

外観検査によって、下記のような外観上の欠陥を見つけることが可能です。

 

■外観検査で確認できる不良の例
  • ・ペットボトル容器のラベルの印字ミス
  • ・ガラスの割れ、欠け
  • ・金属製品(ナット、ワッシャなど)のサビ、キズ

    検査員が目視で不良を確認する「目視検査」のほか、センサーや画像処理技術を搭載した「外観検査装置」を利用する方法があります。

    外観検査が必要な2つの理由

    外観検査が必要な理由は、主に下記の2つです。

     

    1. 品質を保証できるため
    2. 製造工程を改善して品質を維持できるため

    順番に見ていきましょう。

    理由1.品質を保証できるため

    1つ目の理由は、製品の品質を保証できるためです。外観検査を実施することで、「一定の基準や仕様を満たした製品」だけを生産できます。

    そもそもメーカーは、安定した品質の製品を顧客に届けなければなりません。しかし、生産数が多い製品の場合、それだけ不良品の数も増加する可能性が高いです。

    万が一不良品のまま提供してしまった場合、顧客からの信頼を失う恐れがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、外観検査が欠かせません。

    理由2.製造工程を改善して品質を維持できるため

    製造工程を改善して品質を維持できるのも、外観検査が必要な理由のひとつです。外観検査で不良品が出た場合、「どの工程で不良品が発生したのか?」という原因を突き止める必要があります。

    設計や製造プロセスの原因がわかれば、問題点をフィードバックして改善することが可能です。

    例えば、時計の組み立てをおこなう工場で「仕様と異なる形の時計」が作られたときに、「作業員が手順を間違えてしまった」ケースを考えてみましょう。

    この場合、下記の改善方法が挙げられます。

     

    ■改善方法の例
    • ・作業手順が複雑になっていないか見直す
    • ・ダブルチェックを取り入れる

      上記のようにその都度改善を繰り返すことで、顧客が満足できる製品のクオリティを維持できます。また、不良品を極力ゼロに近づけられれば、不良品が発生したときのロスを減らすことも可能です。

      外観検査を実施するときの流れ

      続いて、外観検査を実施するときの流れを見ていきましょう。ここでは「ペットボトル容器」を例に挙げて説明します。

      No ステップ 例:ペットボトル容器の場合
      1 製品の良否を確認する ラベルに穴の空いたペットボトル容器を発見する
      2 不良品が出た場合、発生した要因を調査する 小さな穴のため、目視検査で見落としてしまった
      3 製造工程や体制に問題点がないか調査する 目視確認に頼っており、検査員の負荷が大きい
      4 製造工程や設計を改善する 小さな穴や凹凸まで正確に検出できる「外観検査装置」を導入する

      以上のように、発生した要因を調べるだけではなく、「現状の製造工程や作業体制に問題がないか」まで調査する必要があります。

      特に、外観検査で「不良品の見逃し」が起きる原因のひとつが、検査員の「人手不足」や「負荷の高さ」です。自動化できる工程は外観検査装置を活用し、不良を見逃さない環境を作っていくことが重要になります。

      外観検査の3つの方法

      外観検査には、主に下記3つの方法があります。

       

      1. 目視で検査する
      2. AI非搭載の外観検査装置を利用する
      3. AI搭載の外観検査装置を利用する

      それぞれのメリット・デメリットと併せて、順番に見ていきましょう。

      方法1.目視で検査する

      メリット デメリット
      ・特別な設備が必要ない
      ・熟練した検査員なら、精度の高い検査ができる
      ・人力なので時間がかかり、効率が悪い
      ・人によって判定にばらつきが出る
      ・採用、育成コストがかかる
      ・検査員の心身に負担がかかる

      1つ目は、検査員が目視で検査する方法です。検査員がいれば特別な設備が不要な上、熟練した人なら精度の高い検査をおこなえます。

      一方で、何年も経験しているベテランと新人では、不良の判定にばらつきが出やすいことがデメリットです。

      また、熟練するまで検査員を育成しても、退職してしまう恐れもあります。検査員は長時間集中して取り組まなければならない仕事のため、心身に負担がかかりやすいからです。

      以上のようなデメリットにより、検査装置を導入する製造現場が増えてきています。

      方法2.AI非搭載の外観検査装置を利用する

      メリット デメリット
      ・外観検査を効率化できる
      ・目視検査に近い検査をおこなえる
      ・人件費を削減できる
      ・目視検査のようなばらつきを防ぎやすい
      ・複雑な判定が苦手
      ・多様な形状や材質には対応が難しい
      ・導入、利用には専門知識をもった人材が必要になる

      今の製造業で主流なのが、外観検査装置を利用する方法です。

      外観検査装置とは、カメラで撮影した画像データや赤外線などのセンサーによって、製品の状態を自動で検査する装置のことです。

      目視での検査と違い、人件費を削減しつつ、人によるばらつきを防げるメリットがあります。

      一方で、あらかじめ不良品の判定値を設定しておく必要があるため、さまざまな形状や材質のある製品には対応が困難です。

      また、外観検査装置を導入・利用するには「専門知識のある人材」が必要なため、属人化しやすくなります。

      方法3.AI搭載の外観検査装置を利用する

      メリット デメリット
      ・複雑な判定に対応できる
      ・種類の多い製品に対応できる
      ・検査員の熟練度に頼らないため、採用や育成のコストを削減できる
      ・初期費用がかかる
      ・大量の異常データが必要になる

      3つ目は、近年普及しつつある「AIを搭載した外観検査装置」を利用する方法です。製品の画像データをAIに学習させ、学習モデルを構築することで、自動的に良否を判断できるようになります。

      一般的な外観検査装置と違い、種類の多い製品でもキズや異物を検知してくれるため、検査の精度が上がりやすいです。

      また、検査員の知識や技術に依存しないので、採用・育成コストを削減することが可能です。

      種類 入力方法 精度
      一般的な外観検査装置
      不良品の判定値を入力

      過去に入力していない
      不良事例は検知できない
      AI搭載の外観検査装置
      正常画像と異常画像
      をアップロード

      過去の事例から学習するため
      精度が高まる

      一方で、AIに学習させるために、「正常な状態の画像」と「異常な状態の画像」を収集しなければならないデメリットもあります。

      製造現場ではさまざまな異常パターンが発生するため、画像を集めるだけでも時間を要します。そこでおすすめなのが、「正常な画像のみ」を学習させるだけで異常を検知できる「外観検査AI」です。

      画像収集の手間を約50%削減できますので、興味のある方はぜひ下記のページから詳細をご覧ください。

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      外観検査の段階ごとの主な検査項目

      続いて、外観検査の主な検査項目について説明します。

      そもそも検査項目とは、「製品のどの部位がどのような状態になっていれば良品or不良品なのか」を文字と写真で記したものです。

      製造プロセスのうち、どの段階で実施される検査なのかによって、検査項目が変わってきます。

       

      1. 製品が作られたとき
      2. 製品の表面を見るとき
      3. 仕上がりを確認するとき

      順番に見ていきましょう。

      段階1.製品が作られたときの検査項目

      製品が作られた段階で、仕様(製品が満たすべき規定)と異なる部分がないかをチェックします。

      項目 確認内容の例
      形状 ・定められた形状と違いがないか
      ・変形や欠損がないか
      寸法 定められたサイズと違いがないか
      構造 ・部品の組み合わせに誤りがないか
      ・組み立て方にズレがないか
      塗装の色に変色や色ムラがないか

      上記のような検査をした結果、製品が規格から外れていた場合は除外します。

      段階2.製品の表面を見るときの検査項目

      製品の表面に「キズや異物の付着がないか」を見ていく段階です。

      項目 確認内容の例
      見栄え ・表面に凹凸がないか
      ・スジやシワができていないか
      ・仕様と違う感触がしないか
      キズ 小さなキズやスレができていないか
      付着物 汚れやほこりがついていないか

      特に見た目の検査は、検査員によって善し悪しの判断が異なることもあるため、基準を決めにくい部分です。あらかじめ基準書を作成しておき、スムーズに検査できる体制を作らなければなりません。

      段階3.仕上がりを確認するときの検査項目

      完成した製品に対し、「良品と異なる部分がないか」を最終チェックします。

      項目 確認内容の例
      組み立て ズレやキズがないか
      仕上がり ・バリや欠け、突起がないか
      ・加工したときの補助具の跡がないか

      以上のような検査を経ることで、見た目だけではなく、顧客が安全に使えるような製品に仕上がります。

      外観検査で発見できる不良の例を紹介

      外観検査を実施することで、実際にどのような不良が見つかるのか紹介します。ここでは金属・食品・日用品業界の例を見ていきましょう。

      業界 検査対象の例 不良の例
      金属業界 ナット・ワッシャ・ベアリング ・水の侵入や湿気によるサビ、腐食
      ・バリ、欠け
      ネジ・ボルトの輪郭 ・ネジを切ったときに残るバリ
      ・加工時の割れ、欠け
      食品業界 賞味期限の印字 ・賞味期限の印字ズレ
      ・日付の印字間違い
      異品種の混入 パッケージが類似した製品の混入
      日用品業界 製品のラベル ・ゴミやほこりの混入
      ・ラベルの破れ、ズレ
      ・印字の間違い

      このように、外観検査によってさまざまな不良を発見することが可能です。

      しかし、検査員の経験に頼った「目視検査」や、不良の判定値を設定する「外観検査装置」では、すべてのパターンへの対応が難しいケースもあります。

      そこで提案したいのが、AIを活用した外観検査装置の利用です。

      一般的には「正常」と「異常」の両パターンをAIに学習させる必要がありますが、TDSEの外観検査AIは「異常パターンの画像のみ」で判定できます

      例えば下図のように、テクスチャ系からカプセルや電子部品まで、異常を検知することが可能です。

      製品の種類

      プログラミング不要でAIの学習モデルを構築できるため、専門知識がなくても使い始められます。

      「現状の外観検査では、あらゆる不良に対応しきれない」とお悩みの方は、ぜひ下記のページからサービスの紹介をご覧ください。

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      外観検査を効率化するには、AIの活用が重要

      外観検査を実施することで、不良品を発見して流出を防げるようになります。また、根本的な原因を突き止めて、製造プロセスを見直すのにも役立ちます。

      近年はAIを搭載した外観検査装置も増えているため、属人化を防ぎつつ、作業効率を上げることが可能です。

      外観検査装置の導入を考えている方は、ぜひAIの活用を検討してみましょう。

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