近年はビックデータを活用して、業務効率化や競争力の強化を実現している企業も増えてきており、ビッグデータの重要性が高まっています。
しかし、「自社の課題にあったデータ活用をして成果を出したいが、どのように活用すれば良いのかイメージが湧かない」「すでにデータ活用に取り組んでいるものの、思ったような成果が出ない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、さまざまな業種におけるデータ分析・利活用の事例を16選ピックアップしました。ビッグデータを効果的に分析するポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
なお、データ分析のプロセスを知っておきたい場合は、ぜひ下記の資料をダウンロードしてご覧ください。具体的な分析手法についても解説しています。
目次
- 1 多くの領域で、ビッグデータの活用による効果が出ている
- 2 【業界別】ビッグデータを分析・利活用した事例10選
- 2.1 事例1.【製造】本田技研工業:渋滞予測で20%早いルートの案内
- 2.2 事例2.【製造】ダイキン:故障などの対応の効率化・高度化
- 2.3 事例3.【製造】パナソニックアプライアンス:業務プロセスの改善
- 2.4 事例4.【食品】ミツカン:商品の余剰在庫を35%削減
- 2.5 事例5.【食品】六甲バター神戸工場:検査人員を6分の1まで削減
- 2.6 事例6.【小売】Tesco(英国):合計12,500万ドルの在庫廃棄を削減
- 2.7 事例7.【小売】ゲオ:顧客へのアプローチを実施、売上が向上
- 2.8 事例8.【小売】トライアル:補充作業を軽減し、欠品を防止
- 2.9 事例9.【建設】TRUST:業務の見える化によりチームワーク向上
- 2.10 事例10.【金融】CITIC銀行(中国):累計クレジットカード数が銀行業界2位へ
- 3 【業界別】TDSEのデータ分析・利活用の事例6選
- 4 ビッグデータを効果的に分析・活用する4つのポイント
- 5 適切なデータを分析・利活用し、自社のビジネスに活かそう
多くの領域で、ビッグデータの活用による効果が出ている
総務省の資料によると、さまざまな領域でビッグデータ活用による効果が出ていることがわかっています。下図を見ると、いずれも「多少効果があった」「非常に効果があった」という回答が半数以上を占めています。
出典:総務省|デジタルデータの経済的価値の計測と 活用の現状に関する調査研究の請負報告書
特に効果があったと回答しているのが、「生産・製造」「物流・在庫管理」「保守・メンテナンス・サポート」領域です。
上記の3つは、データを活用して「生産プロセスの高度化」や「在庫管理の向上」などを実現しやすい領域と考えられます。
では、実際にそれぞれの業界でどのようにデータを活用しているのか、事例を見ていきましょう。
【業界別】ビッグデータを分析・利活用した事例10選
ビッグデータを分析・利活用した企業の事例を、総務省の資料などから11社紹介します。
- 【製造】本田技研工業:渋滞予測で20%早いルートの案内
- 【製造】ダイキン:故障などの対応の効率化・高度化
- 【製造】パナソニックアプライアンス:業務プロセスの改善
- 【食品】ミツカン:商品の余剰在庫を35%削減
- 【食品】六甲バター神戸工場:検査人員を6分の1まで削減
- 【小売】Tesco(英国):合計12,500万ドルの在庫廃棄削減
- 【小売】ゲオ:顧客へのアプローチを実施、売上が向上
- 【小売】トライアル:補充作業を軽減し、欠品を防止
- 【建設】TRUST:業務の見える化によりチームワーク向上
- 【金融】CITIC銀行(中国):累計クレジットカード数が銀行業界2位へ
- 【保険】ソニー生命保険:顧客データを活用し、提案内容を改善
どのような目的でデータ活用に取り組んだのか、順番に見ていきましょう。
事例1.【製造】本田技研工業:渋滞予測で20%早いルートの案内
1つ目の事例は、本田技研工業です。
本田技研工業はドライバーにとって快適なカーライフを実現していくために、防災や省燃費ルートなどの情報を提供するサービスを開始しました。
データ活用の目的 | ドライバーの快適なカーライフを実現する |
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施策 | ・サービスの会員から5分ごとに車の走行データを収集し、目的地への最適なルート案内を実施した ・車両内のセンサーから燃料噴射量のデータを集め、燃費の良いルートを予測できるようにした |
効果 | ・約20%早いルートが案内され、CO2を約16%削減する効果があった ・急ブレーキ回数を約7割減少させた |
CO2の排出量削減や渋滞回避に加え、故障データを活用して故障部位をディーラーに連絡することも可能にしました。
事例2.【製造】ダイキン:故障などの対応の効率化・高度化
ダイキンは故障・品質管理を強化するため、共同開発したAIを活用して下記の施策を実施しました。
データ活用の目的 | 故障・品質管理を強化する |
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施策 | ・AIでエアコンの具体的な不具合箇所や、交換が必要な箇所を特定できるようにした ・AIで運転異常が出る予兆を検出できるようにした |
効果 | ・ビッグデータからトラブルの原因を特定することで、故障時の現場訪問が1回で対応できるようになった ・従来の製品対応・改善などのPDCAサイクルに比べて、1年以上早く不具合のフィードバックができるようになった |
結果的に業務プロセス改善や効率化に成功しました。現在はデータ分析などを担当するデータサイエンティストの確保が課題となっており、人材育成を進めています。
事例3.【製造】パナソニックアプライアンス:業務プロセスの改善
3つ目の事例は、パナソニックアプライアンスです。
働きやすい環境を作るという目的のため、PC操作ログから実働時間のデータを収集し、業務プロセスの改善に臨みました。
データ活用の目的 | 多様な人材にとって働きやすい環境を作る |
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施策 | ・ITツールを導入し、PC起動中の使用アプリケーションを分単位で見える化した ・仕事が予定どおりに進まない要因を調査し、具体的な改善策を考えるようにした |
効果 | ・業務プロセスを改善した ・長時間労働を抑制できるようになった |
データを活用して仕事の状況を見える化したことで、時間を取られていた原因を突き止めることに成功。業務プロセスを改善し、長時間労働の抑制につながりました。
事例4.【食品】ミツカン:商品の余剰在庫を35%削減
4つ目の事例はミツカンです。冷やし中華は夏のみ売れる商品なので、夏の終わりにつゆが売れ残ってしまうという問題がありました。
そこで需要予測サービスを活用し、在庫を減らす施策を実施しました。
データ活用の目的 | 冷やし中華の余剰在庫を削減し、廃棄ロスを減らす |
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施策 | 気象データとツイートデータを組み合わせて需要を予測するサービスを活用した |
効果 | 冷やし中華の余剰在庫を35%削減した |
上記により、商品(冷やし中華)の余剰在庫を35%削減し、廃棄ロスを抑えることに成功しています。
事例5.【食品】六甲バター神戸工場:検査人員を6分の1まで削減
六甲バター神戸工場では、生産性を上げるために設備を増やしていました。しかし、最終検査を作業員がおこなっているため、設備を増やすほど人手不足になる状況に陥っていました。
そこで不良製品の画像データを活用し、下記の施策を実施しています。
データ活用の目的 | 検査工程を自動化し、人員を削減する |
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施策 | ・不良製品の画像データをもとに、AIモデルを作成した ・AIモデルを活用して、最終製品の検査工程を自動化できるようにした |
効果 | 検査工程の人員を、24名から4名まで減らした |
結果的に充てん包装ラインの検査工程で、人員を24名から4名へ低減させています。
事例6.【小売】Tesco(英国):合計12,500万ドルの在庫廃棄を削減
6つ目の事例はTescoです。Tescoは天候による食品の売上変化に対応するため、天候・売上データの解析に取り組みました。
データ活用の目的 | 天候による食品の売上変化に対応する |
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施策 | ・ID-POSデータをもとに顧客を分類し、店舗ごとに品ぞろえや棚割りを変更した ・会員システムや天候データを解析し、在庫を最適化できるようにした |
効果 | ・夏季の食品廃棄ロスを、900万ドル分以上減少させた ・店舗運営を最適化したことで、下記をそれぞれ削減できた ・製品全体の廃棄4700万ドル分 ・倉庫の在庫7800万ドル分 |
売上の最大化に成功しており、今後は需給予測モデルの精度を向上させることに励んでいます。
事例7.【小売】ゲオ:顧客へのアプローチを実施、売上が向上
ゲオは、マス媒体を介した訴求が難しくなったことを課題に感じていました。
そこで市場の変化にあわせたマーケティング手法をおこない、在庫をコントロールするため、顧客データや商品データを活用しました。
データ活用の目的 | 市場の変化にあわせたマーケティング手法や在庫のコントロールをする |
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施策 | ・会員顧客データや商品データを分析し、会員を「趣味別」や「売上貢献別」に分類した ・分析結果をもとに、適切なタイミングでクーポンの発行やメールの送付を実施した |
効果 | ・売上が向上した ・DVDの仕入れ枚数を最適化した |
データ活用の効果を実感しているものの、顧客をよく理解出来ていない場合は、直接会いに行くことも必要だと感じています。
事例8.【小売】トライアル:補充作業を軽減し、欠品を防止
トライアルホールディングスは下記の目的のため、リテールAIカメラを導入し、棚や来店客の画像データを活用しました。
データ活用の目的 | ・消費者の属性に適した広告を配信する ・欠品が出たら即座に必要な数だけを補充する |
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施策 | ・棚の状況や来店客を画像データとして収集し、欠品状況を把握できるようにした ・顧客の属性や店内での行動をもとに、サイネージに情報を提供できるようにした |
効果 | ・スタッフの補充作業を軽減できた ・欠品を防止できるようになった |
顧客の購買行動にあわせた情報提供や在庫補充ができるようになり、データ活用に成功しています。
事例9.【建設】TRUST:業務の見える化によりチームワーク向上
9つ目の事例はTRUSTです。業務間で情報を共有する書類や、進行管理がバラバラになっていたため、情報を集約したいという目的がありました。
データ活用の目的 | ・バラバラになっている情報を統一して管理できるようにする ・担当者の経験や勘に頼った業務管理を改善する |
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施策 | 建設業界に特化した業務管理ソフトを使用し、業務を見える化した |
効果 | ・業務管理を改善することで、顧客への返答も統一できるようになった ・全スタッフが同じシステムを使って情報を共有することで、チームワークが向上した |
案件ごとの利益率が向上しただけではなく、チーム内の仲間意識が向上するなどの効果も出ています。
事例10.【金融】CITIC銀行(中国):累計クレジットカード数が銀行業界2位へ
CITIC銀行には、リスクレベルが不確実なグレー顧客に対して、カードを発行することに課題がありました。
そこでカードの承認率を改善するため、下記のとおり顧客のオンライン行動履歴を収集しました。
データ活用の目的 | カードの承認率を改善する |
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施策 | ・顧客のオンライン行動履歴から購買習慣を推測し、新規顧客をふるい分けした ・顧客のリスクレベル評価と信用格付けを、適正におこなえるようにした |
効果 | ・カード承認率が、25%程度から70~80%へ急上昇した ・累積クレジットカード発行枚数が、銀行業界2位を達成した |
オンラインでの新規顧客へのカード承認率が大幅に上昇し、累積クレジットカード枚数は銀行業界2位を達成しています。
【業界別】TDSEのデータ分析・利活用の事例6選
TDSEで実施したデータ分析・利活用の例を、業界別に紹介します。
- 【製造】保守点検時、異常発生時の対応工数を削減
- 【製造】AIによる製品品質の安定化・バラつきの要因を分析
- 【社会インフラ】熟練者の技能に依存しない品質の安定化
- 【保険】車の事故リスクを分析し、前年度から約3割低減
- 【保険】高い業績を上げる人材を分析し、社員育成に活用
- 【小売・流通】AIレコメンドにより、ECサイトのCVを最大化
順番に見ていきましょう。
事例1.【製造】保守点検時、異常発生時の対応工数を削減
1つ目の事例は製造業です。保守点検をする際に、設置部品が施工条件どおりに施工されているかどうかを把握したいという要望がありました。
そこで機器のセンサーデータを活用し、下記の施策を実施しました。
データ活用の目的 | ・設置部品が条件通りに施工されているかを把握したい ・施工条件と異なる場合、どこに異常箇所があるかを把握したい |
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施策 | 機械学習プラットフォーム「DataRobot」を利用し、部品の異常箇所を推測するモデルを開発した |
効果 | 保守点検時に、異常が発生した際の対応工数を削減できた |
異常発生時の対応工数を削減することに成功し、設備保全の品質を向上させています。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
事例2.【製造】AIによる製品品質の安定化・バラつきの要因を分析
続いては製造業の事例です。駆動系製品の検査結果にバラつきがあることから、要因を分析して製造条件などの改善につなげたいという目的がありました。
センサーデータを活用し、下記の施策を実施しています。
データ活用の目的 | 駆動系製品の製造条件を改善する |
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施策 | 品質検査試験の測定条件や、製造品の設計情報をもとに、検査結果のバラつきを予測するモデルを開発した |
効果 | 次の製造計画に向けて、取得すべきデータがわかった |
バラつき予測モデルを構築するには情報が不足していたため、取得すべきデータに対する示唆が得られました。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
事例3.【社会インフラ】熟練者の技能に依存しない品質の安定化
3つ目の事例は、社会インフラ業界です。本ケースでは技能継承が上手くいっておらず、技術者間での品質を安定させたいという目的がありました。
また、重機を用いてデータ収集をするのは危険が伴うため、安全にデータを集める方法を見つけることも課題だったのです。センサーデータを活用することで、下記のような効果が得られています。
データ活用の目的 | ・技術者の品質を安定させる ・重機操業において安全にデータを収集する方法を確立させる |
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施策 | ・重機に設置されたセンサーデータを用いて、重機の一部動作を再現するシミュレータを構築した ・シミュレータ環境上で強化学習をすることで、制御AIを開発した |
効果 | ・熟練者の技能に依存せず、品質を安定化させられる可能性が生まれた ・業務効率化を実現できる可能性が生まれた |
結果的に、技術の品質安定化や、重機の自動制御を実現できる可能性を発見しています。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
事例4.【保険】車の事故リスクを分析し、前年度から約3割低減
続いての事例は保険業界です。社員が運転する社用車の事故を減らすため、事故データを活用して、下記の施策を実施しました。
データ活用の目的 | 自動車事故を削減する |
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施策 | ・事故データを分析して傾向を把握し、要因の仮説を立てた ・走行データを用いて仮説を検証し、事故につながる運転者の行動などを特定した ・事故リスクとなる行動をモニタリングし、定期的にアラートを上げるようにした |
効果 | 社有車による事故が、前年度の約3割低減した |
自動車事故のリスクとなりやすい行動を特定することで、社有車による事故を前年度の約3割低減できました。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
事例5.【保険】高い業績を上げる人材を分析し、社員育成に活用
5つ目の事例は保険業界です。高い業績を上げる人材(ハイパフォーマー)を分析し、人材育成に活用することが目的でした。
営業行動などのデータを利用し、下記の施策を実施しました。
データ活用の目的 | ハイパフォーマーの要因を分析し、人材育成に活かす |
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施策 | ・ハイパフォーマー人材に関連しそうな担当者の行動を指標化した ・ハイパフォーマー人材を予測する機械学習モデルを構築し、ハイパフォーマー関連の高い行動指標を見つけ出した ・社員とハイパフォーマー人材の行動指標の数値を比較するツールを作成し、面談や社員教育などに利用した |
効果 | ・ハイパフォーマー人材に関連する行動指標を、定量的に把握できるようになった ・個人でのスキルの把握や、面談の目標設定に活かされ、社員育成に活用できるようになった |
結果的に社員のスキルレベルを把握したり、目標設定に活かしたりすることで、ハイパフォーマー人材の育成につなげています。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
事例6.【小売・流通】AIレコメンドにより、ECサイトのCVを最大化
最後は小売・流通業界の事例です。ECサイト内で適切なレコメンドができておらず、ユーザーがサイトを離脱してしまうことが課題でした。
そこでユーザーの行動データなどを活用し、下記の施策を実施しました。
データ活用の目的 | ・ユーザーの嗜好に合った商品をレコメンドする ・購買率の改善や、合わせ買いを促進する |
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施策 | ・ユーザーの行動や季節性、商品の属性などから、「購入率」と「期待購入金額」を予測した ・購入率と期待購入金額に基づく予測モデルを構築した |
効果 | A/Bテストの結果、コンバージョン率が改善された |
コンバージョン率が改善され、購買率の向上に役立っています。具体的な施策や効果などは図にしていますので、ご確認ください。
ビッグデータを効果的に分析・活用する4つのポイント
ビッグデータを効果的に分析や活用をするには、下記4つのポイントを押さえましょう。
- まずはデータ活用の目的を明確にする
- 目的に合った分析手法を選ぶ
- データの品質を一定に保てる環境を用意する
- 情報漏えいが発生しないようセキュリティ対策をする
順番に紹介します。
ポイント1. まずはデータ活用の目的を明確にする
1つ目のポイントは、データ活用の目的を明確にすることです。データの種類や形式はさまざまなため、あらゆるデータを集めようとすると、加工や分析に多大な労力や時間がかかってしまいます。
まずは目的に合ったデータを揃えて分析し、必要に応じてデータの範囲を広げていくのがおすすめです。ビッグデータを活用する目的として、下記が挙げられます。
・顧客の隠れたニーズを発見し、商品の開発や改善に活かす
・既存の業務を効率化する
・適切に在庫管理し、機会損失や廃棄ロスを防ぐ
上記のように具体的な目的を設定することで、データ活用の方向性に迷いにくくなります。
ポイント2. 目的にあった分析手法を選ぶ
目的に合わせて分析手法を選ぶことも、重要なポイントです。データ分析手法は複数あり、目的によって最適な手法が変わってきます。
例えば、売れている商品・売れていない商品を明確にしたいなら、ABC分析が有効です。商品を3つのグループに分け、重要度や優先度を決めていきます。
また、「優良顧客に限定してキャンペーンを実施する」といった施策を打ちたいなら、優先すべき顧客がわかるRFM分析が適しています。
このように分析手法によって、分析の仕方や得られる知見が異なります。目的に合わせた分析手法を選び、効率的にデータ分析をおこないましょう。
なお、具体的な分析手法については下記の記事で説明していますので、併せてご一読ください。
【事例あり】データ利活用とは?得られる効果と重要なポイントを解説
ポイント3. データの品質を一定に保てる環境を用意する
3つ目のポイントは、社内でデータの品質を一定に保てる環境を用意することです。大量のデータを扱うため、データ保存するストレージ量が必要になります。
また、データが増えるほど、選定やクレンジング(データの不備を修正すること)の負荷も増加しやすいです。
そのため、データの収集から分析までを一元管理できる「データ活用基盤」を導入するのがおすすめです。
社内全体で同じデータを共有できれば、誰でもデータにアクセスしやすくなり、データ活用を推進できる可能性が高まります。
なお、データ活用基盤の詳細や、導入時に気をつけるべきことは、下記の記事で解説しています。併せてご一読ください。
データ活用基盤の基礎知識!得られる効果や構築方法を詳しく解説
ポイント4. 情報漏えいが発生しないようセキュリティ対策をする
4つ目のポイントは、情報漏えいが発生しないようセキュリティ対策をすることです。ビッグデータには顧客情報なども含まれているため、セキュリティ対策は欠かせません。
万が一不正アクセスがあった場合、機密データを盗み見られる恐れがあります。情報が漏えいすれば社会的な信用を失うリスクもあるため、必ず下記のような対策を実施しましょう。
・誰がいつどのデータにアクセスしたかを記録できるツールを導入する
・不正侵入検知システム(IDS)などを導入し、不正アクセスを早期発見できるようにする
また、従業員にセキュリティ教育を実施し、意識を高めておくことも大切です。データの保管や取り扱いは慎重におこないましょう。
ほかにもデータをビジネスで上手に活用するには、いくつかのポイントがあります。業務としてデータ活用を回せるようにするためにも、ぜひ下記の記事をご覧ください。
【事例あり】データ活用とは?目的やビジネスに活かすポイントを解説
適切なデータを分析・利活用し、自社のビジネスに活かそう
ビッグデータを活用した企業の多くが、売上向上や業務効率化といった効果を感じています。市場の変化に柔軟に対応していくためにも、適切なデータを分析して自社のビジネスに活かせるようにしましょう。
まずは、データ活用の目的を明確にしたうえで分析手法を選び、データ活用環境を整えていくことが大切です。
なお、弊社TDSEでは「どのようにデータ分析を進めれば良いのかわからない」という方に向けて、「データ分析・データ利活用サービス」を提供しています。
貴社のビジネス課題を解決できるようなデータの選定から、実際に施策に落とし込むところまでをサポートします。下記の資料にデータ分析に関するノウハウをまとめていますので、ぜひお気軽にダウンロードしてご覧ください。
また、お問合せ・ご相談も随時受け付けております。